50代、『DIE WITH ZERO』を読んで「貯金」より「思い出」への投資を決めた理由

人生

「老後2000万円問題」がさけばれて久しい。

私たち50代は、どうしても老後のために資産を形成しなければという強迫観念に駆られがちだ。私もそうだった。

NISAやiDeCoを駆使し、S&P500やオルカンに投資をして、資産残高が増えることに安心感を覚えていた。

だが、この一冊『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著)に出会い、その価値観は根底から覆された。

著者のメッセージは過激だ。ゼロで死ね

つまり、死ぬ瞬間に資産が残っているのは、その分だけタダ働きしたのと同じであり、人生の可能性を無駄にしたということだ。

本当に衝撃だった。

私は、心のゆとりを増やそうと「お金を増やすこと」に必死だった。

そのために「いつ、どう使うか」ということを考えなくなっていた。

優先順位を下げて、後回しにしていた。

そして、いつの間にか、お金を有効に使う力も減っていた。

「思い出」にも複利がかかる

投資家の私にとって最も刺さった概念が「記憶の配当(メモリー配当)」だ。

株の配当金と同じように、若い頃(あるいは今)経験した楽しい思い出は、その後の人生で何度も思い出し、精神的な配当を生み出し続ける。

早く経験すればするほど、配当を受け取る期間は長くなる。

つまり、思い出にも「複利効果」が働くのだ。

またもや、衝撃を受けた。

逆に言えば、70代、80代になってからお金を使っても、この「記憶の配当」を受け取る期間は短い。

お金の価値はインフレで目減りするかもしれないが、それ以上に、私たちの「楽しむ能力」は加齢と共に確実に目減りしていく。

52歳の今が「いちばん若い日」

現在、52歳。健康診断の結果に一喜一憂する年齢だ。

本書ですすめられている「タイムバケット(年代別のやりたいことリスト)」を実際に作ってみて愕然とした。

「釣りに行きたい」

「日本一周旅行に行きたい」

「海外を歩き回りたい」

これらの体力を使う夢は、70代では叶えられないかもしれない。

お金があっても、身体が動かなければ意味がないのだ。

人生の充実度は「金」×「健康」×「時間」の総量で決まる。

50代の今こそが、この3つのバランスが取れた最後の黄金期かもしれない。

今こそ、動く時期だ。

結論:資産を取り崩す勇気を持つ

もちろん、無計画に散財しようという話ではない。

しかし、私は決めた。

これからは、通帳の数字を増やすことと同じくらいの熱量で、「経験」にお金を変えていくと。

もしあなたが、漠然とした将来不安のために「今」を犠牲にしているなら、ぜひこの本を読んでほしい。

死ぬときに「もっと貯金しておけばよかった」と後悔する人はいない。

「もっとやりたいことをやっておけばよかった」と後悔するのだ。

人生でいちばん若い日は、いつも今日。

さて、次の週末はどこへ行こうか。

私の「ゼロへの旅」は始まったばかりだ。


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